『Just Keep Buying 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』を読んで、自身が重要だと思った部分を要約しました。
皆さんのファイナンスレベルの向上に役立て頂けると嬉しい限りです。
Just Keep Buying(ただ買い続けなさい)
『ジャスト・キープ・バイイング』とは、収益を生み出す様々な資産を継続的に購入することです。
収益を生み出す資産とは、将来的に不労所得を生み出せる、株式、債券、不動産などの資産のことを指します。
こうした収益を生み出す資産を、いつ、いくらくらい買うべきかではなく、ただひたすら買い続けることが重要です。
これを専門用語で言うと、この投資手法は『ドルコスト平均法』と言われています。
『ドルコスト平均法』と『ジャスト・キープ・バイイング』は実質的に同じことを意味していますが、後者は『とにかく買い続ける』という、よりはっきりとした投資哲学、つまり明確な心理的動機が込められています。
どのくらい貯金すれば良いか?
これに対する答えは『できる範囲で貯金する』というのがこの本での回答になります。
例えば、『何があっても収入の2割を貯金する』と決めても、収入が増減したり、ライフステージが変わったりすることで、必ずしもそれが達成できるとは限らないため、『できる範囲で貯金する』ようにしましょう!
節約と収入アップのどちらを優先すべきか?
1984年以来のアメリカでは、所得が下位20%の世帯は基礎生活費すら賄うことが困難であるが、所得が上位20%の世帯が支出に占める基本的生活費の割合が低いことがデータとしてわかっています。
このデータは節約するよりも収入アップを優先すべきだということを裏付けています。
私の肌感覚としても、これは正しいと思っています。
以前は節約に拘ることで、資産を築こうとしていましたが、転職で収入アップすることで多少浪費したとしても、節約に拘っていた時よりも資産を築きやすいことを実感しています。
今より収入を増やす5つの方法
一般的には、節約するよりも収入アップの方が難しいと言われています。
それでも、貯金を増やし、富を築く安定した方法を手に入れるためには、収入アップは不可欠になります。
収入アップとして、以下の5つの方法があります。
・時間単位の専門サービスを提供する。
・出来高制の専門サービスを提供する。
・人に教える。
・商品を売る。
・会社で昇進する。
今であれば、起業や副業がもてはやされているため、上の4つが収入アップとしておすすめされることが多いですが、この本では、特に若い人や経験不足の人には、会社で昇進するような従来型のキャリアを歩むことを強く推奨しています。
理由としては会社で昇進することで大富豪になることは滅多にありませんが、富裕層レベルであれば、従来型のキャリアを歩んできた方がデータ上で多いということがわかっているからです。
収入がアップしたら、どれだけ生活レベルを上げて良いか?
この本では、収入がアップしたら、『昇給額の50%を貯金すること』を勧めています。
つまり、半分は現在の自分のために使い、半分は未来の自分のために使うようにします。
この方法を実践することで、世の中の大半の人がほぼ計画通りにリタイアすることが可能になるからです。
さらにこの本では、『2倍ルール』というルールを提唱しています。
これは『贅沢な買い物をするときは、必ずそれと同額の投資をする』というルールです。
この2倍ルールに従うことで、買い物をするとき、冷静に『自分は本当にこの商品を買いたいと思っているのか?』と立ち止まって考えることができます。
2倍ルールに従うことで、仮に散財したとしても、その散財した分と同等の投資資産を買うことになるので、罪悪感を幾分か和らげてくれると筆者自身は感じています。
個別株に投資すべきか?
この本では、個別株には投資すべきではないと結論づけています。
筆者は、『個別株投資は、多くの個人投資家を焼き尽くしてしまう投資哲学』だと言っています。
それを裏付ける根拠として、1926年から2016年にかけて、米短期国債を上回る株式の超過リターンを生み出したのは、実質的にわずか4%の株式だったと言われています。
さらに、1920年3月のダウ平均株価の構成銘柄20社のうち、100年後もこの指数にとどまっている企業は1社もありませんでした。
このようなデータから、幅広い企業の株を対象とするインデックスファンドやETF(上場投資信託)のパフォーマンスを上回ることは極めて難しく、プロの投資家ですら勝てないことがほとんどです。
プロの投資家ではない一般的な個人投資家は当然、インデックスファンドやETF(上場投資信託)を買って、幅広い銘柄の株を保有することで着実に投資リターンを得ることができます。
分割投資と即一括投資のどちらが良いか?
分割投資と即一括投資を比較すると、ほとんどの場合、即一括投資のほうが優れています。
これはほとんどの投資資産や期間にも当てはまり、株に割高感であってもほぼ当てはまります。
概して、投資への決断が遅れれば遅れるほど、得られるリターンは少なくなります。
ちなみに「概して」と言うのは、市場が暴落している時に限り、分割投資の方が優れているからです。
それでも市場が暴落している時に、喜んで株を買い続けるのは難しいと言われていますが、株で儲けるためには、市場が暴落している時でも、株を売らずに投資を続ける必要があります。
株が安値になるまでじっと待つべきか?
本書には、この答えを導くためのゲームが紹介されています。
1920〜1980年のいずれかの時点から、米国株に40年投資するとします。
ただし、投資法は次の2つから選ぶこととします。
・ドルコスト平均法:毎月100ドル、40年間投資する。
・バイ・ザ・ディップ:毎月100ドル貯金して、相場の下落時のみに買う。
しかしながら、このゲームでは、バイ・ザ・ディップをさらに有利なものとします。
それは全知全能の神の視点に立ち、底値がいつかをあらかじめ知っておけるようにします。
さらにこのゲームでは、一度買った株は売れないというルールもあり、期間が終了するまで、株をずっと持ち続けなければならないこととします。
これらの条件下において、ドルコスト平均法とバイ・ザ・ディップのどちらが高いリターンを得ることができると思いますか?
直感的には、バイ・ザ・ディップの方が負けるはずがないように思えます。
なぜならば、常に2つの最高値の間の底値で株を変えるからです。
しかしながら、バイ・ザ・ディップを実践すると、40年という期間の70%以上でバイ・ザ・ディップのパフォーマンスがドルコスト平均法を下回ることがわかっています。
つまり、神でさえドルコスト平均法には勝てないということです。
よって、底値を待って現金を貯めるのは意味はなく、できるだけ早く、頻繁に投資すべきです!
下落回避戦略は有効なのか?
まず皆さんがお金に対して超保守的だと仮定します。
皆さんは1年間の最大下落率が5%以上であれば株を避け、全て債券に投資するようにします。
これを今回でいう『下落回避戦略』と呼ぶこととします。
株の最大下落率が高すぎる年には、全資産を債券に移し、それ以外の年には全資産を株式に移します。
よって、毎年、全資産を債券で保有するか、株式で保有するかのいずれかになります。
1950年から2020年にかけ、下落回避戦略に基づき、毎年1ドル投資を続けた場合(最大下落率が5%以上の年は全資産を債券に移動)、得られたはずの収益を大幅に取り逃がすことになります。
2018年時点で、毎年1ドルずつ投資を続けて一度も退場しなかった場合のバイ・アンド・ホールドに比べ、資産は9割も少なくなります。
よって、下落を回避しようと、ポートフォリオをいじくり回すのは賢明ではありません。
いつ、株を売れば良いのか?
皆さんは、投資は何のためにしていますか?
それは将来的に資産を増やして、経済的に豊かになるためになるためだと思います。
そのため、投資を続けていく中で、株を売却して、現金化する時が必ず訪れます。
そして、株を売却する時に、私たちは投資の世界で最も強力な”2つの行動バイアス”に直面することになります。
それは『上昇期を逃すことへの恐怖』と『下降期で損をすることへの恐怖』です。
この2つは、投資のあらゆる決定に疑問を生じさせる不安心理となります。
こうした精神的混乱を避けるためには、不安に突き動かされて何かをする前に、売却条件をあらかじめ決めておくことです。
自分で条件を決めておけば、プランに従って冷静に資産を売却できるようになります。
投資資産を売却する理由として、お勧めできるものは以下の3つになります。
・リバランスのため
・集中投資(または損失)状態から抜け出すため
・自分の経済的なニーズを満たすため
上記の3つがお勧めですが、株式インデックスファンドなどで市場全体に投資している場合は、リバランスと経済的なニーズを満たす時の場合のみ売却をするようにしましょう。
よって、株式インデックスファンドが下落して不安になったからという理由で売却しないようにしましょう!
お金と時間のどちらが大事か?
医師で長寿の専門家であるピーター・アッティアは、2017年、寿命を延ばす方法をテーマにした講演で、聴衆に次のように問いかけました。
「この中で、ウォーレン・バフェットと自分の人生を今すぐ交換してもいいという人はいないはずですーたとえ、それによって彼の全財産が手に入るとしても。バフェットも、全財産を失うことと引き換えに20歳に戻るかと尋ねられたら、すぐに『ぜひそうしたい』と言うでしょう」
もしバフェットになれたら、その富や名声、地球上で最も偉大な投資家としての地位が得られます。
好きなところに行ったり、好きな人に会ったり、お金で買えるものは何でも手に入れることができます。
しかしながら、あなたはもうすでに94歳(現在のバフェットの年齢)となっています。
皆さんであれば、この取引をするでしょうか?
私も皆さんも決してその取引をしようとは思わないでしょう。
このような取引について考えたときに、お金より時間の方が遥かに価値があると思うのではないのでしょうか。
さらにお金は後からいくらでも稼ぐことはできますが、時間を戻して過去に戻ることは決してできません。
よって、1日1日という時間を大事にしていくことが非常に大切になります。
感想
この本を読んで、今まで聞いてきた金融の常識をひっくり返されました。
例えば、以下のような金融の常識です。
・収入アップより節約を優先する。
・収入アップしても、生活レベルを変えてはいけない。
・株は安値になるのをある程度待ってから、投資する。(頭と尻尾はくれてやれ。)
この本のタイトルになっているジャスト・キープ・バイイングという投資戦略はシンプルでありながらも神をも凌駕するということを学んだため、私はS&P500インデックスファンドのジャスト・キープ・バイイングを継続しています。
現在、米国株は下落している最中のため、安値で株が買えるチャンスと思って、ポジティブな気持ちでジャスト・キープ・バイイングを継続していきます。
このように、『Just Keep Buying 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』を読んだことで、株を買い続けたり、持ち続けるメンタルが強化されました!
皆さんも『Just Keep Buying 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』を読んでみませんか?
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